何処にも当て嵌まらない編
リセット
あこがれの先輩に
“微妙に女っぽいところがあって好きなんだよねー”と
言われた帰りの電車で元彼に会った
時計の針はキッチリと動いているはずなのに
動かない心は誰のものなの?
帰った家には誰もいなくて
一人で熱風を吐き出していたストーブに
ただいまを言って
作り置きのカツカレーを流し込んだ
一人で一人分の洗い物をしていたら
勝手に動かないはずの心があばれだして
ついつい私は流しに吐いた
時間は巻き戻されて
私の体内はリセットされた