あの娘の名前はprincess

ミルフィーユは旅に出て、2日目だった。
ミルフィーユはテクテク歩きながら、見送りの時の会話を思い出していた。
「ミルフィーユ様。どうか、お怪我の無いよう、どうかご無事に…」
「あぁ、もう。ママもパパも、二人は私にとってママとパパなんだから、『様』なんて付けないで!」
「は、はい。しかし…」
「しかしも、かかしもないわ!じゃあ、行くね。お城へ。」
「行ってらっしゃいませ、ミルフィーユさ…」
メルエはミルフィーユと目が合った。そして、少し困った顔になりながら
「行ってらっしゃい。ミルフィーユ。怪我、無いようにね。」と、手を振りながら、ダンケとミルフィーユを送ったのだった。
“ママパパ、今頃どうしてるんだろ…”とか考えてミルフィーユはひたすら歩き続けているのだった。
夜は、パパが書いてくれたキャンプの仕方をよく見ながら、用意する。そこでも、話す人のいないミルフィーユは物思いにふける。
“はぁ〜あ、一人って面白くないっていうか、寂しいっていうか…むなしいな…。昔、ママとパパが二人でどこかへ出かけてる時もこんなには寂しくなっかた。それは、きっと…
後で絶対会えるって分かってるから――
だって、私、こんな深い森の中で人と会うはず無いもんね…一人って結構…キツイ。”
そして、いつも夜は早々と寝てしまうのであった。