あの娘の名前はprincess
真実「ミルフィーユ…ミルフィーユ様」そんな声が、ママとパパの声が聞こえた。
ミルフィーユは、ハッと顔を上げバンッとドアを開けた。と、そこにはママとパパがいた。
「ママッ、パパッ、シホンが、シホンがいなくなっちゃったの!」そこまで言ってふと、気が付いた事を言った。
「ねぇ、どうして?どうして二人とも顔を伏せてるの?」
「………」
「なんで、喋らないの?」
「…喋るお許しを・・・・・・」
「はいぃぃ?べ、別にいいけど?」
「ありがとうございます。姫様。なぜかというとミルフィーユ様があのお城の姫様でワタクシメ達はそこの使用人でございますから。」
「今、なんて…言った?の」
「ミルフィーユ様が姫様だと申し上げたのでございます。」
「……。お願いだから、いつもの口調で喋ってよ。」
「姫様のご命令ならなんなりと。で、何を喋ればいいの?ミルフィーユ」
「ママとパパって私のママパパなの?本当に私がお姫様ならなんでこんな山奥に住んでるの?なんでいままで隠されてたの?」
「うーん。それをいうには最初から話さなきゃならないわ。とりあえず、向こうでハーブティー飲もうか。落ち着くから。」
「うん……。」
カチャ―
「「……」」
二人は喋らない。
「…ママ?」
「何?ミルフィーユ」
「さっき言ってた最初からっていう話、話して。」
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ママ、メルエさんの話をかいつまむとこんなかんじだった。
『昔々からのしきたりでここギルデルト国にはおかしなしきたりがあった。
それは、王と后のお子様は生まれて2年経つと町から遠く離れた山奥に信頼できる執事みたいな人をお子様の両親として付けて出すこと。公では“質素な暮らし”とか“優しい心を’を身に付けさせるためとか言ってるけど…真実は違うわ。本当は、この国、ギルデルト国を治められるかを見極めるかなんだって。無事に還ってたきたらか、何か詳細は全然は分からないんだけどね。私達のような者では。いや、『でも』…ね。
まぁ、ミルフィーユ、あなたは、今この国を治めてる王様ロイ・クルルギスと后様のお子様だからこの山奥に住んでいるのよ。』
「つまり、要約すれば…私が国を治められるか見極めるシキタリのためにここに住んでるのね?」
「ええ、そうね。」
「そして、私の両親はママとパパじゃないのね」
「ええ。」
「ふぅん。」
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「ねぇ、ミル…」
「いいわ。私、決めた!旅に出ることにする。もちろん一人でね。それで、持った全権力でシホンを探し出すの!」
「一人はだめよ!危険すぎる!仮、ううん…本当にお姫様なんだから。」
「そうだぞ!」
「ううん。絶対私は行く。」
メルエは考えた。この娘はこうなってきたら絶対言うことを聞かない…
「いや、駄目だ、旅になん…」
「ダンケ…」
「メルエ…分かってる。けど…」
「じゃぁ、行かしてくれるのね!」
ミルフィーユは満足そうに微笑んだ。そして、二人、メルエとダンケは同時に思った。
“やっぱりこの娘はprincessだ…な”