あの娘の名前はprincess

カルレットに着く2―オロカル

「うわぁ〜。おっきぃ町〜。すごいねぇ〜オロカルって」
ミルフィーユの周りの人はクスクス笑いながら通り過ぎてゆく。“なんで笑うんだろう?”という顔をミルフィーユはしていると、キィは苦笑をしながら言った。
「ミルフィーユさん。ここはあんまり大きい町とはいえないんですよ。」
「そうなの?」
「そうです。ここで」「そんな事言ってたら城下町でひっくり返っちまうぜ?」
「そんなに?」
二人は一緒に大きくうなずいた。あげるタイミングまで一緒なので、何かの芸当かと最初は思ってしまっていた。
ああ、二人とは結構長く居たんだな、と慣れてしまったミルフィーユは思う。
「ここが僕達の家だよ。」
「大きいね。」
「何言ってんだよ。オロカルの中でも10の中に入るボロ家だぜ?キィ、じゃオレ、シュレイさん家に鍵とりに行くわ。」
「よろしく、たのんだよ!」
「ほんと、町って騒がしくて、いいですね。」
「ミルフィーユさん、ラックが帰ってきたら荷物置いて見学しにいくといいよ?」
「ありがとうございます。じゃ、お言葉にあまえて。」
「お!もうラックが帰ってきたみたい。ほんとラックって元気な奴だ。」


「うわぁ〜。かわいぃ〜。」
ここは、町の中心ぐらいにある小物屋というか、雑貨屋さん。
「いっらしゃいませ。お嬢さん。あ、それカワイイでしょ。お嬢さんに良く似合いそうだよ?」
「ありがとうございます。もうちょっと中、見ますね。」
そこには、可愛いぬいぐるみや、ペンダント、ガラス物が多いようだった。
「あ!」
そこには、血を固まらせたような紅いピアスがあった。シホンに良く似合いそう・・・。これ、買おう。
「おじさん、コレください。」
「はいはい。え〜っと15ジルだよ。あ、でも、お嬢ちゃん可愛いから11.2ジルにまけといくね。」
「あ、ありがとうございますね。」

ミルフィーユは上機嫌になってスキップして通りに出ると、