アタシとオマエ(仮)
52分前のことB一方アキはいきなり現れた人、しかし、雰囲気が絶対この世のものではないヒトを凝視するほかは無かった。と、いきなりヒトは
「ޔܠ ޟޗ」と静かに唱えた。と、私は急に気持ちよくなり―――
「私の名前は吉河 亜輝。17歳。3月25日生まれ。」
と言っていた。私が私でない。無意識に掠れた声で囁いていた。
「あなたは…ナニ?」
ヒトはフフッと笑った。というより息をした。そして独り言のように言った。
「流石だな。地球界と同じ姿なのに違和感を感じるとは…。やはり、魂がレーセ界のモノだからか?」
私はほとんど理解できず、頭の中で言葉を反芻していた。と、ヒトは
「ワタシはレーセ界の者で、スター・リングに属する者。12番、ルイ=レイス。」
意味が分からない。頭の中が更に混乱する。そして、ようやく言葉にする。
「お願い――まじめに答えて…」 と、口の端に笑みを浮かべながら
「ワタシはいつでもまじめだ。そして残念なことにお前を殺さなければならない。そして、お前の魂をライ様にお渡ししなければならない…」
いきなり空中の空気を固めたかのように手に刀が現れていた。ルイとやらの手に。と、その刀に纏わりつくようにオレンジに光る光が現れた。もしそのときにアキがその光をよく見ていたらそれが文字だと分かっただろう。ルイが
「特別に高等な術で殺してやろう。そして、4秒待ってやる。何をしてもいいぞ。」
四、足が動いてくれない。
参、口から悲鳴がもれる。足が縺れながら反対を向く。
弐、暗闇に3歩で着く。と――― ルイは何もしない。何も。
壱、何かに当たる。手を前にやる。そこには…透明な囲いがあった。
零、手が自動的に囲いをたたく。バンバン――
何も起こらない。左手でひっかく。
―――バンバンバンバンバンバンキーバンバンキーバンキー…
「ゼ…ロ…」
アキは死んだ。しんだ。シンダシンダシンダシンダシンダ…