Hanashi

OLの人と

“『生きる』か・・・”
羽瑠は自称悪魔OR堕天使の車掌さんの話を頭の中で反芻させながら元の席に戻ろうと歩いていた。
“『死ぬ』か・・・”
そんな事を考えたせいか、そのタイミングで冷えた風がビヒョゥォと開いたドアから入ってきた。
すると、少し疲れたっぽいOLの人が入ってきた。
「はぁ〜」
と、いかにも、疲れてて電車で座れた〜的な溜息だった。
あの人も事故にあったんだ。
それで、死にたい、と思っている人。

ふと、羽瑠は今開いたばかりのドアを見た。
“出れる?”
そう気付いた瞬間、ダッとドアに駆け寄り出ようとすると

――ビニョン――
変な感触の壁があった。もちろん、透明な。
“意思を決定するまでは、この電車からは出れないってことか・・・。”
さっきのOLの人はものすごくへんなものをみるかのような目でみていた。
“まぁ、当たり前か・・・。そういえば、私以外・・・特に今乗って来た人なんかはこの電車を知らないんだよなぁ。この際・・・”
羽瑠は意を決してそのOLの人に近づいていった。
“何、この子?”
みたいな顔をしているけれど、しょうがない。
「あの、 この電車の真実を知っていますか?」
「は?」