金魚と夢の後で
6「あ、あなたがサキちゃん?よくハルが話してるわ。」
「へぇ、あ、そうだ。ハル、餌ちゃんとあげた?」
「あー、忘れた。」
「やってたじゃない。」
“二人とも仲がいい。そりゃ、結婚してるんだもんね。こんなトコに来るんじゃなかった。” 「あ、帰りますね。」
「え?もう?」
「うん。」
走るように家を出ると
「まって、サキ!」
後ろから、ハルが追いかけてきた。
「いやだー。」
そして、道路でサキは立ち止まった。
「危ないよ、サキ。」
「好きだったの。」
「え?」
「ずーっと前から大好きだったの!」
そこで、サキはクルっとハルの方へ向いた。
「私、サキは春日井 ハルの事が大好きです。」
と、その時だった。
「僕も・・・危ない!アブナイ!サキ!」
横を向くと、向こうから、トラックが走ってきた。
スローモーションでトラックが見えた。