金魚と夢の後で



あれから、3時間。
ハルは、あれからどうしたんだろう?と池に見に来ると、そこにはまだサキがいた。
「へ!やっぱりウソだったんだよ!」
「ううん、そんな事ないもん!」
「おっちゃんも、早く帰った方がいいと思うよ?」
「サキ。」
「ハル君!」
サキは釣竿をそこに置いて走ってきた。
「ねぇ、ハル君。ほんとだよね?ウソじゃないよね?」
「はは、ウソじゃないよ?」
「は!じゃあ釣ってみろよ!」
と、同級生が言う。
「じゃあ、僕が釣ろう。」

みんながハルの釣竿を凝視する。
「ちょっと、休憩するね?」
とハルはおっちゃんの所へ行き、コソコソっといった。
『金魚、金魚を』
と、手を差し出すと、おっちゃんは、あぁそういう事かという顔をしてハルの手に金魚を渡した。
『ばらすなよ』と言ってウインクした。
「さぁて、再開するか!サキ、新しいグミを付けて。」
「うん!はい!」
「ありがと」
   チャポン
「さ、後は待つばかりだね!」
「ふん!オレは信じないぜ!な?」「あぁ」
と、その時だ、
「あ、金魚がかかった!僕がとるよ!」
瞬時に釣竿を上げ、手の中に入れた。
ハルはみんなにきずかれないようにグミを取り、
「ほら、金魚だよ。」
と、手の中の金魚を見せた。
「すごーい、ハル君!サキは出来なかったのに・・・」
「コツがあるんだよ。」
「ホントにつれたぜ!」
「ホントだ」「ホントだ」
「ほら、これサキのだよ。」
「ありがと〜、名前は・・・ハルにするね!」
「え〜金魚と一緒?」
「もう、き〜まり!」