金魚と夢の後で
2
あれから、3時間。
ハルは、あれからどうしたんだろう?と池に見に来ると、そこにはまだサキがいた。
「へ!やっぱりウソだったんだよ!」
「ううん、そんな事ないもん!」
「おっちゃんも、早く帰った方がいいと思うよ?」
「サキ。」
「ハル君!」
サキは釣竿をそこに置いて走ってきた。
「ねぇ、ハル君。ほんとだよね?ウソじゃないよね?」
「はは、ウソじゃないよ?」
「は!じゃあ釣ってみろよ!」
と、同級生が言う。
「じゃあ、僕が釣ろう。」
みんながハルの釣竿を凝視する。
「ちょっと、休憩するね?」
とハルはおっちゃんの所へ行き、コソコソっといった。
『金魚、金魚を』
と、手を差し出すと、おっちゃんは、あぁそういう事かという顔をしてハルの手に金魚を渡した。
『ばらすなよ』と言ってウインクした。
「さぁて、再開するか!サキ、新しいグミを付けて。」
「うん!はい!」
「ありがと」
チャポン
「さ、後は待つばかりだね!」
「ふん!オレは信じないぜ!な?」「あぁ」
と、その時だ、
「あ、金魚がかかった!僕がとるよ!」
瞬時に釣竿を上げ、手の中に入れた。
ハルはみんなにきずかれないようにグミを取り、
「ほら、金魚だよ。」
と、手の中の金魚を見せた。
「すごーい、ハル君!サキは出来なかったのに・・・」
「コツがあるんだよ。」
「ホントにつれたぜ!」
「ホントだ」「ホントだ」
「ほら、これサキのだよ。」
「ありがと〜、名前は・・・ハルにするね!」
「え〜金魚と一緒?」
「もう、き〜まり!」